チェスどころか囲碁や将棋すら嗜まないので何が“神の一手”だったのかさっぱりだけど、例えるなら藤井四段が北朝鮮の王者と盤面上で12ラウンドボコボコに殴り合うようなもんだろうか。そりゃあ、いやが上にも注目するわ (￣0￣;)
冷戦下、ソ連が30年以上保持してきた世界王者の座に破天荒で社会性の無い若き米国の天才が挑むのだが。マスコミは騒ぎ立て、聴衆は固唾を飲み、政治家は利用し、代理戦争の様相を呈する。そして目に見えない巨大で真っ黒なプレッシャーにその奇怪な行動はエスカレートしていく…。
面白かったのは絶対王者のソ連の対戦相手もまた重圧と闘っていること。対戦前から心理戦は始まっている。疑い・妄想・幻覚・幻聴で衰弱しまくる神経をいかに保つか。
最後に本人の実映像が流れ、対戦が終わっても精神を病み、“捨て駒”としてのチェックメイトを向かえる。“スリル満点な痛快作”と紹介されているけど、終始重たかった…(×_×)
