伊集院櫻子

ラスト・フェイスの伊集院櫻子のレビュー・感想・評価

ラスト・フェイス(2016年製作の映画)
1.0
愛を育む時間なんてない事は重々承知だけどミゲルは半端なく魅力的だった。序盤が最近見た中で一番の惨さだっただけに、ラブシーンは冷めること間違いない。惨状と葛藤はよくわかったが、決して良い印象は持てなかった。中でもレンが彼らを救えないと言い切ってしまっている点は絶望しか感じられず、言い合いも完全に私情を挟んでいて、同じ女性ながら「これだから女は」と思わざるを得なかった。他の医師達の「まったくこの小娘は」といった顔にすごく共感。力もないのに他の人に指示する感じもすごく腹立たしさを覚えた。レンのような医師が本当にいるとしたら本当に絶望的。後半のチンピラに絡まれるシーンは、紛争が生んだ悪なのか、見たことが無かったのでかなり衝撃的だった。一貫してレンの行動には首をひねるばかりだった。帰国して代表、いわゆる集金集めをしたりして、財団や法人の上層部も所詮形だけなのだなという悪いイメージしか残らなかった。どんなに良いスピーチをしても、戦場の悲惨さは行ったものにしかわからないのだろうなと悟った。
伊集院櫻子

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