片腕ファルコン

ヴィクトリアの片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

ヴィクトリア(2015年製作の映画)
3.2
フェイクも含めて最近やたら増えつつある1カット演出の(僕が見た中では)最長版。
お疲れ様でした。

60分くらい経過した時ですかねぇ。ヴィクトリアが営むカフェに仲良くなった男が入って「良い感じのホテル…あ、カフェだねぇ」と言った時は「おおい!!何言ってだコイツ!また最初から撮り直しか!?」と見てるコッチもハラハラしましたが、言った本人は笑って誤魔化し、出川哲朗や狩野英孝的天然キャラなんだと思う事でそれも無事スルーして1カットを続ける事ができました。。

140分って1カットって事当たり前ですが140分間内に起こった出来事なワケで…
ベルリンで一人異国の女性ヴィクトリアが地元の4人の青年と知り合って仲良くなるくだりの前半。その後、とんでもない頼まれ事を引き受けるには、あまりにも短すぎるし、映画としてはあまりにも長すぎる。。何とも悲しき矛盾さよ。

前半のまったり感から一変、どんどん加速していき、内容もどんどん悲惨な方向へ向かっていくのですが…どうもイマイチ乗り切れなかったんです。。

1カットの醍醐味としては見てるこちらも一緒に行動してるという臨場感があると思うんですが、それもこっちの集中力が途切れてしまっては1カットの意味がなくなってしまいますもんね。ずっとスクリーンに惹き寄せ続ける必要があるです。その点がこの映画はできてなかったのが敗因なのかもしれないです。。

とは言え、撮影時間140分だせ!ってワケでもなく、街全体を使ってのアレだけの演出、相当入念な段取りをシミュレーションしたのでしょう。その努力は尊敬に値致します。。
改めてお疲れ様でした。

※今、このブームに乗っ取り、学生の若手監督が無謀にも1カットムービーに挑戦して撃沈しているらしい。。