荒野の狼

ラスト・ナイツの荒野の狼のレビュー・感想・評価

ラスト・ナイツ(2015年製作の映画)
1.5
作りは往年の大河ドラマ並みなのでクオリティはそこそこなのだが、忠臣蔵を念頭においたと言われている内容はしかし、武士道でも騎士道でもないぐちゃぐちゃな腹いせ仕返し劇。若い監督だとは言え、やはり年寄りが見たら失望間違いなし。切腹は本人自らが過ちの責任をとって落とし前をつける作法であって、介錯に押し付けるものではない。ここでクライブ•オーエンが自決するならまだ話はわかる。そもそも武士道にはヒーロー(英雄)という概念はない。ここを見誤っているから多分欧米でも受けはよくないと思われる。西洋流に例えるなら、法に従い毒杯をあおったソクラテスの方がわかりやすいだろう。だから結果として白人との鬼っ子のような作品になってしまった。
ちょっぴり忍者風味を添えているのが笑える。同じ付き合うにしても、我が武士道の矜持を忘れないで欲しい。クライブ•オーエン相手なら江口洋介の方が絵的にもよくなったのになあ。
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