Ark

インフェルノのArkのネタバレレビュー・内容・結末

インフェルノ(2016年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

2024-4
世界人口の増加がいずれ人類滅亡を招くと考えるゾブリストは、人口抑制のために自分で開発した“謎のウイルス”をばら撒き、人類を半分に減らそうと目論んでいた。その頃、どういう訳か血だらけで短期記憶を失ってしまっているラングドンは目を覚ますが状況に追いつけない。自分に何があったのか、そして“謎のウイルス”の隠し場所を探すが……。


前2作品では物語をリードする存在だったラングドンの身に何かが起こり短期記憶を失い、自分が置かれている状況も何があったかも分からないというまさにサスペンスな仕様に変わっており、文字通りの“信頼出来ない語り手”となっている。このタイプのサスペンスが好きなので好みだった。尻上がりに好み度が高くなっていくシリーズは珍しい(笑)

1分ごとに増殖する細菌をビーカーに入れると1時間後に満杯になるが、満杯になる1分前に自発的に半分になる。なので11時に入れると11時59分に半分になるので、ゾブリストはこれになぞらえて「今は真夜中の1分前」と主張する。
確かにこのまま人口が増え続けるとどうなるのかなとは思う。ずっと世界人口は70億人だと思ってたけど、いつの間にか(2022年に)80億人を突破していたらしい。2058年に100億人突破する予測も本当にある。いつか人口増加が限界に達したときどうなるのか気になるな。

ひたすら可哀想なラングドン。注射のせいで「コーヒー」も思い出せないなんて……😂
最後の「病室に鍵はない」にはハッとした(笑)

ゾブリストたちは危険な思想を持ってるけど、根底にあるのは「人類を救いたい」という思い。だから危険な人物なのに悪人と思えない。
人口増加で人類滅亡か、半分に減らしてもう半分の命と人類の未来を守るか?と言われたら私も「真夜中の1分前」をやるかも。それかもう、地球は気が遠くなるほどの果てしない年月の歴史を刻んできたのだからもう滅亡しちゃってもいい気もする。

本シリーズの原作者であるダン・ブラウンの作品は映画にするのが難しいそうだが、インフェルノの前作であるロスト・シンボルは脚本の難しさから2013年に映画化が断念されたらしい。
本作も映画として作るために色々改変されている模様。特に原作とラストが真逆で原作ではウイルスが既に1週間前に拡散されており、ラングドンの説得で世界中にばら撒かれたウイルスによる被害を治療すべくシエナもWHOに協力する……というものらしい。本作ではシエナはゾブリスト側の人間でウイルスを拡散しようとして爆死、ラングドンたちの奮闘により拡散は阻止されるという結末。上手い具合に映画的に改変されているみたい。
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