よっくる

怪物はささやくのよっくるのレビュー・感想・評価

怪物はささやく(2016年製作の映画)
3.8
一言では言い表せないです。
ダークファンタジーかと思わせておいて、非常に現実的な内容でした。
言ってしまえば少年の心の揺れや成長を描いた作品なのですが…、やはりここは最後までご自分の眼で観ていただきたい良作です。
また、絵や演出は非常に美しく、インクの美を感じることができます。

ラストはとても悲しいですが、不思議と涙は出ませんでした。それはきっとコナーが本当の強さを手に入れたと確信できたからでしょう。
怪物の、あの厳しくも優しい目を見れば、リーアム・ニーソンがキャスティングされていることの意味が深いなと感じます。
自分は辛いことから逃げたまま大人になったので、コナーに対してなんだか罪悪感が芽生えましたね。
心の澱を少しずつ重ねて、かき混ぜて、たまに掃除して、自分の心の声に耳を傾けることを面倒くさがってはいけないなと反省。
コナーを見習って生きていかないと、複雑なことを複雑なまま受け止められる精神性の高い大人にはなれません。
これから頑張ります(唐突な抱負)。
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