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モンキー・マジック 孫悟空誕生のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.2
ドニーイェン率、怒涛の急上昇。
そして、彼の孫悟空なんて観ちゃって良いのか。
彼が破天荒な猿の妖怪として、ノリノリで躍動しまくってる。

『イップマン』でメキメキと頭角を表す傍、この手のファンタジーで“孫悟空”なる中国の歴史きっての妖怪ファンタジー系随一のキャラクターを演じ、この2〜3年後にスターウォーズの『ローグワン』に出演。
彼のキャリア、いったいどうなってるんだ。

今回の孫悟空の物語、かなりファンタジー色が強い、、、かなり、クセが強いファンタジー。
正直、世界観が『ロードオブザリング』並みに壮大過ぎて、映像技術で表現しきれてない。

そこを、その部分をドニーイェン、チョウユンファという香港2大スターが埋める。埋めるどころか、そこに全振りした。

この2人の肩に色んなことがのしかかってる作品に思えた。そして、それを背負い切って突き抜けようとする勢いを感じる作品。

いわゆる、五行山で岩に挟まって囚われの身だったところを三蔵法師に助けられて、猪八戒と沙悟浄と共に経典を届けるための旅、の話ではない。

孫悟空が生まれ落ち、師の元で修行を積み、技と心を学び、天界と魔界の拮抗を揺るがす陰謀に巻き込まれ、唆され、大切なことに気付きながら、、、大暴れする話。

もはや、よく知る孫悟空の話ではなく、“良く知る孫悟空の話の前の話”。
この話が語り継がれる伝承に基づくのか、オリジナルストーリーなのかは知らない。

天界、魔界、、、かなり、ファンタジー。その点においてはかなり覚悟して観るべし。でないと振り落とされる。

しかし、それなりに知ってる単語や神仏魔系キャラが出てくるので、それはそれでファンタジーアクションが楽しい。

玉帝、牛魔王、須菩提祖師、女媧、九尾の狐、釈迦如来様、四天王、などなど。
如意棒、芭蕉扇、、、神具系武器、鎧、テンション上がる。

人の世で、人と手を取り合いながら、失敗したり、人と一緒に功徳を積むやんちゃで破天荒で暴れん坊の猿の話ではなく、いわば“神々の上の方での戦い”に巻き込まれる猿の妖怪、の話。

人と一緒に功徳を積む話はここから500年後の話らしい。この話のオチがそこに通ずる展開。

ドニーイェン、ホントに振り切ってた。ホントに妖怪まがいの動き。
やんちゃで未熟で破天荒で暴れん坊の孫悟空のルーツ。

周りも周りでレジェンド級のヘビー級のクセと悪のキャラが多い世界で立ち回るので、ある意味でこの孫悟空の突き抜け加減でちょうど良い世界になってるパワーバランスにぶったまげた。

エンドロールがカッコよかったし、エンディングの曲、キャッチーでエモくて良かった。


F:1997
M:507
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