kito

シグナルのkitoのレビュー・感想・評価

シグナル(2014年製作の映画)
3.2
散々な世評とは裏腹に、割と面白かった。

観たいと思う映画は多数クリップしているのだけど、どうにも決めかねて、結局ノーマークかつ事前情報なしに本作を見始めた。かなりの部分、謎解きが楽しめるーーなので、ネタバレなしに何を書けば良いのか悩むストーリー。

超名門マサチューセッツ工科大学の大学生男女三人が大学のサーバーをハッキングした "ノーマッド" と自称する人物から挑発を受け、うっかり正体を暴こうとしたら、あら大変!というお話。

かなり終盤までいったい何が起きているのかわからない主人公目線を追うことになる。話が進むにつれ少しずつモヤモヤは薄れていくので、SF慣れしているとアレコレ推測しながら観る楽しみがある。

ここでレビューを読むようになって、最近の若者に "劇中の事象はすべて優しく説明して欲しい" 人が実に多いと痛感する。何ならネタバレ大歓迎、結末までちゃんと知ってから映画館に行くという人すらさほど珍しくないというから驚く。タイムパフォーマンス至上主義らしい。

まあ、好みの問題だし、良い悪いとは言わない。何と言っても多様性の時代だし。ちなみに私は真逆だし、蛇足ながら句読点は省かない、ら抜きも嫌いな外大卒だったりする。

句読点云々はともかく、本作は謎を謎のまま曖昧に残し、観る者の考察に委ねている部分があるので、評判が芳しくないのもわかる。こういう展開は、「2001年宇宙の旅」や「惑星ソラリス」などSFものでは全然珍しくないと思うのだけどなあ。

ぶっ飛ぶようなアイデアではないけれど(たまたま直近で観た邦画そっくり)、映像が凝っていて、けっこう楽しめた。

なんだかんだの末、主人公はある意味、幸せだと思う、、、
kito

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