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グレートウォールのQTakaのレビュー・感想・評価

グレートウォール(2016年製作の映画)
3.6
中国の戦士達と怪獣が出てきて、マッド・デイモンがカッコイイ映画。
娯楽映画、アクション映画として、とても面白かった。
中・米合作という事を忘れさせるほど。
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舞台が、今から1000年前の宋王朝。
と言われてもピンとこないが、日本で言うなら戦国時代のちょっと前。
この時代の前は、”隋””唐”という、日本とも交流のあった大国の時代。
宋王朝の後は、モンゴルから”元”が台頭し中国を征服した。
そういう頃の話なので、戦争物語は描きやすいのかもしれない。
時代を象徴するものとして”火薬”が登場する。
欧州からはるばるやってきた男の目的は、”火薬”だった。
この設定は時代的に当たっていて、中国で発明され、ヨーロッパがそのことに気づいたならば、欲しがったであろう。
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登場する兵士達の戦い方は、中国映画独特のアクロバティックな空中戦。
この辺が見どころの一つでもある。
一方で、この時代、この場所の戦闘の象徴である”火薬”の爆発もすごい表現で登場する。
裏テーマがこの”火薬”をめぐる物語。
戦いで見るなら、”弓”の扱いがまた中国映画っぽい。
そして、その”弓”をカッコよく射るのは、マット・デイモン。
これが必要以上にかっこいい。
この他、戦いの現場には、物量でぶつかり合うシーンが満載だ。
火薬を詰めた球に火をつけて、中世西欧の投石機みたいに一斉に投下するシーンは大迫力。
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敵は???
兵士たちが戦う相手は、怪獣?
この設定は、普通に考えると、SF映画にはよくある事なんだが…
どこか知らない星へ辿り着いた宇宙船に、その星に住む生物が襲いかかるような設定なら、いくつも先例がある。
一方で、この地上で、怪獣を相手にする映画といえば、昨今の例ではデルトロ監督の『パシフィックリム』がある。これは、監督が言う通り”怪獣”映画だ。
では、この映画の敵は何?
まぁそう言う事はどうでも良いのかもしれない。
登場したそのグロテスクな体も、集団で襲いかかってくる様子も、何となくこの生物の習性や能力をうまく表現していて、物語が進むにつれて、戦う兵士たちと同様に理解が進む。
だから、それはそういうこととして受け止められる。
怪獣映画って、この辺の理解をどう誘導するかが実は大事なのだと思う。
実在のものじゃないからね。
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監督チャン・イーモウというと、私の中では『初恋のきた道』『単騎、千里を走る。』等だけど、思えば『HERO』というバリバリの中国アクション映画もあったね。
出演者としては、マット・デイモンがカッコイイとろこを見せていました。
女優さんのジン・ティエンは、パシフィック・リム2の女社長だったんですね。後から気づきました。
アンディ・ラウが出てるんですが、もう少し目立ってもよかったのにと思いました。
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怪獣映画として、歴史映画として、アクション映画として、とても楽しめる映画でした。
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