うみぼうず

砂塵にさまようのうみぼうずのレビュー・感想・評価

砂塵にさまよう(2003年製作の映画)
3.5
前半から中盤は主人公の態度にイライラしながら、さらに砂漠でのあまり代わり映えしない映像や展開に少し退屈しながら観ていたが、後半も後半、車中での会話くらいから面白くなってきて、冒頭のセリフが本作のテーマの1つだったのだと知る。

伏線というより繋がりというか、自己犠牲の精神は真なる愛の形のひとつだと思う。それはナザルとレイハネの関係もそうだし、ナザルとヘイダルの関係もそう。何時しか理由なく愛していて、その為に最善を尽くそうという博愛の心。

ナザルは良い奴なんだけど自分で負いきれない責任を抱えてしまい損を見るようなタイプ。人前ではカッコつけるけど、砂漠での情けない姿が本当なんだろうな。
砂漠での2人の交流(と言えるほどのものでもないが)で何となく絆のようなものができるのは、砂漠は人を裸にするからかなぁ。無力さ、儚さ。
ラストのカットからそのままエンドロール流れるのは好みでした。
うみぼうず

うみぼうず