世界一過酷な自転車競技と言われるツール・ド・フランスで前人未踏の7連覇を成し遂げたランス・アームストロング。ドーピング疑惑を追求され続けながら、嘘を上乗りして、一度は引退。でも、4年後に復活したのが運の尽き。ついに今までの全てが暴かれ、全タイトルを剥奪され自転車レース界から永久追放された男のドキュメンタリー。
彼は重度のガンから復活して、7連覇という偉業を達成し、ガン患者の希望の星として「歴史上最も偉大なスポーツ選手の1人」とも言われ、稼いだのは120億円以上。その彼の転落と彼自身の告白、そして彼のみならず、自転車レース界を動かす多くの組織、チーム、監督が暗黙の共犯だったという驚愕の事実に驚く。それにしてもメディアでの告白が、オプラ・ウィンフリー・ショーだなんて、影響力がすごい番組なのですね、、
人間が「嘘」をつく、その根源には何があるのか。
勝利を得たいから、嘘をつく。
成功したいから、嘘をつく。
期待を裏切られたくないから、嘘をつく。
権威を守りたいから、嘘をつく。
誰かを守りたいから、嘘をつく。
嘘をついている自分を守るために、嘘をつく。
この映画は人間がつく「嘘」というものの無限に肥大した先に訪れる現実を、私たち観客にまざまざと見せてくれる恐ろしくも見応えのあるドキュメンタリーだと思う。
