このレビューはネタバレを含みます
こういう作品が観たかった!
シュールでヒヤヒヤするブラックなジョークが飛び交う前半から中盤 テンポよくコミカルリズミカルに物語は進む。
本作でのタイトルでもあるキーパーソンとなる お爺ちゃんの設定が やり過ぎ感(←ありがち)が無く、とても自然ですんなりと受け入れられた。
もうこういうタイトルからして、三人の孫達との会話においては、その一言一言を後に生きてくるであろうエンディングへの伏線?として、僕自身は聞き流さずに集中して聞き、心に書き留めつつ進めた。
おじちゃんが孫三人を連れて向かった海はとにかく美しく、息を飲んだ。
孫らが思いを込めて作ったイカダとそこに点火して放たれた炎の色がとても印象的で心に残る。
何気なく孫に語ってきた シンプルなのに、とても深いおじいさんの言葉たちは、息子家族達に孫を通じて届く事になる。
本人から直接言われるより、まさかの騒動からの 妙なルートから伝わるところも またミソなのかもしれない。
騒動の最中
幼い長女が家族親戚に 話す
シーン
そして、浜辺におけるラストシーン
家族が抱える問題が 全てあっさり消えるわけではなく、それでも人生は続く、
ただ昨日までの生き方でなく、確実に変わった考えをもった生き方で人生は続いていく。
人はひょんな事で 誰に言われるわけでもなく、何かに心を動かされ考えの幅を広げたり何かを受け入れられるようになることがある。
数日前に観た
はじまりへの旅
とはまた異なるが、どちらも観る人に優しく深く たいせつなことを教えてくれる
そんな 素敵な作品。