意外にも社会派な作品に驚いた。
日々のストレスで鬱屈とした女性が巨大化する事でアイデンティティを確立してそれがきっかけとなり女性解放に繋がるというストーリーは興味深かった。
しかしテンポが恐ろしくトロいので眠気を誘う。
巨大化してからは若干良くなるもののダリルハンナは美しいがスレンダーモデル体型でセクシーさは感じられない。
そもそもが女性に対する旧態然とした意識を変える作品なのでキャスティングには成功なのだが自分はそれを求めていなかった。
もっとフェティッシュでエロいアングルを期待してた自分にはイマイチだった。
旦那のハリーと美容師のハニーは頻繁にまぐわっていたがそういうのは求めてない。
しかし特撮パートのミニチュアセットや合成ショット、プロップのリアルさ等、出来はなかなか良かった。
肝心のUFOだけがデザインもミニチュアのクオリティも低く予算の掛けどころを間違えてる気がした。
主人公を含め登場人物のほとんどが感情移入しづらい嫌なキャラクター造形に対して精神科医の先生や保安官と女性の助手がとても良いキャラクターで先進性をもった人物に描かれていて好感が持てた。
ブレードランナーやスプラッシュの頃の小悪魔的でか弱いイメージのダリルハンナから骨格の成長と共に逞しくなりつつある過程だが声はまだ少女の様なミスマッチな時期に撮られた貴重なタイミングの作品であるのは確か。
