茜

愛しのジャイアント・ウーマンの茜のレビュー・感想・評価

3.2
おバカSFかと思いきや、今流行りの「強い女性」系で想像以上にメッセージ性の強い社会派だった。
私的には近年のわざとらしくて押しつけがましい作風よりこれぐらいのテンションで訴えてくれた方が全然有り。
映画としての出来は決して上質なものではないけど、B級好きやポンコツ映画ファンなら微笑ましく楽しめるはず。

本作の主人公は、仕事一番で傲慢な父親と旦那の浮気に悩む、裕福なんだけど気弱な奥さんナンシー。
正直彼女の性格は同性の私ですら観ててイライラしてしまうレベルの軟弱っぷりなんだけども、ひょんなきっかけで彼女が巨大化してからは俄然展開が面白くなる。
身体が巨大化した事によりナンシーの性格も強気で自信に満ちていくんだけど、それに伴って彼女の美貌もレベルアップしているところが興味深い。
気弱な頃は地味だったナンシーが、巨大化してからは目力もアップして表情もキリリと引き締まる。
あからさまに変化したメイクの影響と言えばそれまでですが、やっぱり自信って美しさなんだよなぁと思う。

本作のようにただ埋もれて知られていないだけで、今現在やたらめったら訴えられているような主張を込めた映画って昔から沢山あるんですよね。
「巨大化した後の服はどこで調達した?」とか「オチは何がどうなってそうなった?」とかツッコミどころは盛り沢山ですが、それもポンコツ好きとしては乙なところ。
リメイク元であるフレッド・オーレン・レイの「アタック・オブ・ザ・ジャイアントウーマン」も是非観たい。
茜