イライライジャ

人生は二度とないのイライライジャのネタバレレビュー・内容・結末

人生は二度とない(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

‪独身最後に学生時代の友人3人とのスペインを旅する。インド映画はロンドンやニューヨークが舞台はめちゃめちゃあるし、いろんな国へのロケがあるけど全編スペインロケのインド映画はなかなかに新鮮。
トマト祭、牛追い祭、スカイダイビングやスキューバダイビング等スペインの魅力満載で、各々が自らを見つめ直す転機となる。
おそらくこの3人はインド人のなかでも学も教養も職もあって豊かな生活を送っているのだが、それゆえに仕事や家族に縛られていたり、それを誰にも話せないで心に留めている。みんな楽しく過ごしていた学生時代を忘れて生きている。
なので旅行が始まってすぐは意見の相違で険悪になっていたが、徐々に心から楽しんでいるように見えた。
人生も今この瞬間も一度しかないのだから、常に後悔しない選択を取るべきだ。

監督は『ガリーボーイ』のゾーヤーアクタル。ファルハーンアクタルとは双子の兄妹。ファルハーンも『DON』の監督をしていたり、多才な兄妹。ゾーヤーは女性監督なので、細かな心情を撮るのが上手いと思った。そして女性が積極的だったりと、ボリウッドの女性像をアップデートしていってるところが素晴らしい。そのおかげで脇役のカトリーナカイフやカルキケクランの存在感が際立っていた。

スペイン感ハンパないダンスシーンがあるが、珍しくリティクとファルハーンとアバイ3人が自ら歌っている。リティクの歌声がものすんごく良い。甘い。
アバイデオールは心なしかマークラファロに似ていると思うのは私だけかな。

全体的に王道かつ正統派なロードムービーに仕上がっているが、家族の問題が入っていたりなどはものすごくインド映画らしい。心の変化やお祭りなどの描写含めてそのへんのロードムービーのなかでもかなり好きな映画だった。
なによりラストが好き。何かを決意したあとに走っていくシーンで終わるラストはとにかくアツイ気持ちにさせられる。