藤竜也の渋い演技が光る素晴らしい作品。
村の自然を引きのショットでしっかり捉え、なおかつ写真を撮るシーンで村人たちにもフォーカスしていて、村の雰囲気がとてもリアルに伝わってきた。
特に印象に残ったのは村人の写真を撮りに行く時に毎回2人が通る道を引きの固定で撮影しているカット。最初は親父について行くことにどこか嫌気を感じていた孝と研一のカット。そして喧嘩して孝が一人で歩いていくカット。そして親父の熱意に打たれ技量に尊敬の念を抱き、ついて行く2人のカット。同じ場所から同じように撮っているカットだが二人の関係性や心情を表しているとても大切なシーン。また、村目線でこの2人を見守っているかの様な感覚もするこの映画になくてはならないカットだと思う。
そして孝と研一という親子の話を軸に、様々な人が出てきて彼等と交わり作用しあっていく様はとてもバランスが良く、最後まで全く飽きずに観ることが出来た。
