bol

リリーのすべてのbolのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
3.7
エディ・レッドメインの演技力にひたすら感嘆しました。そして彼自身の線の細さが尚女性らしく見える。女性的な所作も相当研究したんだろうな、素晴らしすぎました。

世界初の性転換手術をした実在の方がモデル。誰もが経験したことがない、それって凄く不安だし怖く感じると思う。
女性になりたい。子供が欲しい。
唯一の夢を叶える為に手術に挑むリリーの勇気は素晴らしいなと思いました。
彼女の行動があってこそ、ダイバーシティとかに目が向けられている今がある訳で。

だけど私にはなんか身勝手に映る所もありました。
心と身体の不一致に葛藤するリリー。
1番辛いのは本人なんだろうけど、アイナーを愛した妻ゲルダの気持ちも考えるとなんとも言えない。あまりにも彼女が不憫で...
本人も、そして支える人も大変だと感じた。

1930年にはゲルダとリリーの婚姻は無効とされていたようですが、それでも最期までリリーを支え続けた彼女の強さに心を打たれました。自分が愛した人でなくなる、そこに本人がいるのに、本人が存在を否定している。それってどんな気持ちなんだろう...
bol

bol