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リリーのすべてのminunのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
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すべてが、こんなにきれいな形ではなかったと思う。
異常者や病気扱いされてしまう時代。
計り知れないほどつらくて苦しくて心身ともに葛藤して、涙で溢れてしまうほどの人生だったのだと。

風景画家ではなく、女になりたい。

難しい2回目の手術の前夜に、病室のベッドで静かに泣くシーンが長い時間あった。
とても印象的なシーン。
きっとそこには、とても考えさせられる、いろいろな意味が込められた涙だったのだと思う。

やっと本当の自分になれた。
彼女の人生を、女としての人生を、たとえ短い時間だったとしても後悔のない人生を全うしたように思えて涙が止まらなかった。
幸せそうな笑顔の最期が、すばらしかった。

リリーからもらったスカーフが風で飛ばされるシーン。
リリーの故郷に帰り、きっとリリーに大切なスカーフを返してあげたのだろう。
とてもきれいで心に残るシーンのひとつだった。

ゲルダも素敵な人。
妻として人間としてすばらしくて、受け入れて支えて強い心を持った最高の理解者。
女性として人として尊敬します。

エディレッドメインさんが美しくて美しすぎて、しょうがない。
リリーのすべてという意味も、どこか深く重みがあるように感じる。

「神が私を女にしたの」
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