くるぶし

リリーのすべてのくるぶしのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
3.9
トランスジェンダーがすべてひっくるめて精神病とみなされてしまう時代に、世界で初めて性適合性手術に挑んだ男性とその妻の物語。
夫婦仲はいいのに子どもが出来ない。そんな中で愛する夫が徐々に女性性へと目覚めていく…。妻側からするとたまったもんじゃないシチュエーションなわけですが、この妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルが、リリーの抱える苦悩も受け入れ、さらに自分の妻としてのやり場のない葛藤に苦悶しながらリリーを必死に支え続ける姿を繊細に演じていてすばらしかったです。
主演はエディ・レッドメインですが、この作品はアリシアの存在なくてはあり得なかったでしょう。ゲルダ役がレイチェル・ワイズだったら、全然別物の作品になってただろうなぁ。
もちろんエディもよかったのだけれど、不可抗力を背負うという意味合いでは「博士と彼女のセオリー」とやはり重なる部分があって、それならば前作は越えていないかと。
真面目な感想はおいといて…個人的な見どころは2点。「007」のQ役がツボだったベン・ウィショーが、リリーに思いを寄せるゲイ役ってところ…おいしかったですねー。リアルゲイがエディをお誘いになるという…はいはい、脳内が大変なことになりましたよ。腐女子は悶絶必至! トム・ フーパーはわかってる!ありがとう(笑)。そしてマティアス・スーナールツ。なんでしょう、あの浦沢直樹の漫画に出てきそうな顔と胡散臭い画商役がぴったりすぎる。気になる存在に急上昇です。
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