性別適合手術を世界で初めて受けた女性の実話をもとにしたフィクション作品。主演のエディレッドメインがトランスジェンダーの男性を演じており、その妻をアリシアヴィキャンデルが演じている。エディの肉体と内面の差異から来る苦悩や葛藤が感じられる演技と徐々に自分の内面を偽れなくなっていく様が見事で、それを見せる細かな演出もよかった。とくに印象に残ったのは、アイナーがゲルダの絵のモデルの代わりを頼まれバレリーナの衣装をあてているシーンと、ゲルダがハンスと会っていると聞いた際のアイナーの様子。目線や動作にエディの細やかさが見えて、アイナーに、リリーに立体感を感じた瞬間だった。
しかし、アイナーがリリーとしていたいがために、ゲルダとの関係に一方通行さを感じた。なんか共感までは至らない感じ。
