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ある天文学者の恋文のchsyのレビュー・感想・評価

ある天文学者の恋文(2016年製作の映画)
4.0
ニューシネに感動した過去が蘇る

「過去」から何かを受け取る物語。この邦題のお陰で危うく見逃すところ だった。
原題はCORRESPONDENCE
宇宙の神秘と悠久の愛を掛け合わせた物 語。
教授が死ぬ前(過去)から(現在の)彼 女に手紙やメールが届く。宇宙の星が何百年も前に放った光が今の我々の元へ届くように。過去から未来への通信。

ラストはスタチューの歪んだ顔。モデル をした彼女のどん底の悲しみをそのままかたどっている。それも「過去」が偶然形に残り現在に届くエピソードの一つ。
喪失から再生へ、献身的愛を享受し大き く成長していく彼女の成長そのものが愛の結晶、星の光なのか。
音楽の使い方にニューシネマパラダイス を思い出し切なくなる。こちらも過去からの便りを受け取ったような感覚を味合わせてくれた。

宇宙の摂理を研究してきた彼らにとっ て、地球上での出来事は些細なことだったのかも知れない。全ては宇宙の全能の神のご意思であり、人は完全に肯定された存在。ただ人は、誰でも人 生でたった一つ過ちを犯す。その為に死を逃れられない…そう最後のメッセージに残される。その過ちとは…

作品とは関係ないが、あるミュージシャ ンの言葉を思い出した。
「死と言うものはない。宇宙での住所が 変わるだけ」…そうだね、きっと。
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