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ある天文学者の恋文のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

ある天文学者の恋文(2016年製作の映画)
2.0
着想がお洒落。天体と天文学者をリンクさせている。亡くなったはずのエド(天文学者)から、愛人のエイミー宛にメールやビデオレターが届く。既に死んでしまった星の光が時を越えて夜空に輝くように、死後も愛人に愛を届ける設定だったり。
エドの死因がカニ星雲(超新星残骸)と同じ形のグリオーマだったり。

壮年後期のエドの老婆心から、エイミーがスタントに没頭してしまう(kamikaze)理由を明らかにし、親子の溝を埋める流れは、月並みだが空の上から残された愛人を優しく照らすような姿勢を感じる。

ただ、不倫の設定や、遺族との和解。エイミーが同級とのかかわりを避けるようなシーンは必要だったのか。この部分は解せない。

いい年のオジサンが、死後もなおエイミーの周りの若い男性への嫉妬を恥ずかしげもなく暴露しているシーンや、親族でもない愛人に対して、自身の死が迫って会うことが出来なくなることに号泣しているシーンは、可愛らしさや感動は一切なかった。正直、気持ちが悪かった。
命の期限を感じているからの感情の動態であることは理解できても、矛先がやはり解せない。

物語の起伏が薄く、テンポも悪く感じた。この映画は僕にはまだ早かったのかもしれない。

最終的な印象は、Olga Kurylenkoが美しいだけの映画。40歳手前にして女学生を演じていたが、違和感がなかった。