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ラジウム・シティ 文字盤と放射線・知らされなかった少女たちのwigglingのレビュー・感想・評価

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約100年前のアメリカでの放射能汚染についてのドキュメンタリー。これがかなり酷くてドン引きする内容でした。

自分も文字盤に夜光塗料が塗ってある時計を知る世代だけど、あれは放射性物質のラジウムが使われているものなんだとか。その文字盤を作ってる女工さんたちが内部被爆でどんどん死んでいく。塗料の毒性を知らされておらず、あろうことか筆を舐めて尖らせるよう指導されていた。その結果、数か月もしくは数年という短期間で深刻な障害を発症する。
ひどいのは、会社側は有害性を知ってて、それ故に相当の高給だったそうで。産業のない地域の窮状につけ込んだ訳ですね。

育ち盛りの10代女性への影響は大きく、大量の腫瘍、治らない骨折、果ては子供にも障害が出てしまうなど。インタビューに答える生き残った女性の脚はまるで象のようだった。

いま日本で起きてる低線量被爆とは違うものだから比べてはいけないんだけど、放射線被爆の恐ろしさに震えあがってしまった。
日本には今でもラジウム温泉ってのがそこここにあって客入りもあるようだけど、知らないって怖い事だよなぁと。

放射能汚染に関する映画ってチェルノブイリ以降のものしか知らなかったので、本作の存在は驚きだった。まさに「歴史は繰り返す」だ。
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