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ゴッホ 真実の手紙のNekiのレビュー・感想・評価

ゴッホ 真実の手紙(2010年製作の映画)
3.0
ナレーションと画面越しにこちらへ話しかける役者たちによってゴッホの生涯が語られていく。とても短い映像なのでさらっと見れる。著者や監督によって重点を置くポイントが違うので、ゴッホを知りたい人は他の作品や研究書も併せて読むことをおすすめ。ゴッホが本来牧師になりたかったというのは彼の作品群を理解するうえで重要なポイントであると一度レポートに書いたくらいの知識しかないけど、この作品では比較的彼の人間味が感じられる部分を取り上げてまとめている感じがした。

「狂気である」ということと「死後有名になった」ことが時代的に画家として箔をつけたところがあると思う。救いがないのでどの伝記映画も暗いし嫌な汗出てくる。色見えにくい方用の補正レンズをかけてゴッホの絵を見るととても美しい色合いなので、ゴッホは違う色合いで世界をみてたんじゃないだろうか。

研究資料としてどうしても欠かせない手紙だけど、今の私たちに即していうならば私的なLINEがきれいに一字一句保存されていて、後世のありとあらゆる人たちに読まれ心理を解析されるということだと思うから、自分がやられるとしたらかなり恥ずかしい気がする。もう死んでしまった後だからいいのかもしれないけど。私の研究している小説家はそれを墓荒らしみたいに呼んでいた。
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