ゴッホが愛する弟テオに綴った何百枚もの手紙をもとにひとりの画家の生涯を辿る美しくも儚いドキュメンタリー、ものすごい良かった。モノローグに合わせて淡々と進む話なかでベネディクト演じるゴッホが紡ぐ手紙の一節が心に染みて、胸がぎゅっとなったよ。これから美術館でゴッホの絵を見るたびにきっと何度も思い出すと思う。
役者たちの台詞がすべて本人が書いた手紙からの抜粋だからより生々しいというか、ああそういう人生だったんだねが目の前にある感じでほんと良かったなあ。それにしてもベネディクト・カンバーバッチ、わがままで孤独で周囲の愛に気付けない天才の役がほんとうにはまるよね……。