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ソレダケ that’s itのoden8のレビュー・感想・評価

ソレダケ that’s it(2015年製作の映画)
3.9
ロック映画。
では、ロックとはなんだろう。"強く堅い意志"や"意思を貫く"という意味があるらしい。
僕が感じるのは、強い反骨精神と存在証明でしょうか。

この作品は、"bloodthirsty butchers"
というバンドからインスパイアされてつくられたらしい。劇中に度々流れる、尖っとって荒々しくけど…どこか悲痛な叫びの様な音。その音楽に心がザワめくのん。

それに染谷将太くん演じる大黒の魂の雄叫びが共鳴する。染谷くんの熱演に、観ているこちらが…ヒリヒリと些か火傷してしまいそうになる。
脇を固める俳優陣も一癖も二癖もある個性的な演技で魅力に富んでいる。いや、飛んでいるのが適当かも。

ストーリーも癖が強過ぎて、面白いのか面白くないのかでは判断できないが…魅せられる熱量がある。その熱量が痛々しいんやけど、何となく心に刺さるのねん。
モノクロとカラーの使い分けや、アクションシーンの凝った演出など…独創的な世界観が丁寧に作られている。
物語の良し悪しよりかは、アート作品と捉えた方が面白味は強いのかも。

自分の存在の証明の仕方とは。そもそも、そんなことが必要なのか。存在していることの意義。それを何に見出すのか。確かに、そういったことに頭と心が支配されてしまうことはある。
その答えは人により千差万別なんだろうけど。

この作品からは、凄く"痛み"が伝わってきた気がする。
"痛み"に打ち勝つ為に、闘うのか。逃げるのか。誤魔化すのか。

不器用で歪な"ロックなソレダケ"に心が揺さぶられる。

Cast(役者·キャラ) 4.5
Story(物語) 2.5
Architecture(構成) 4
Picture(画) 4
Acoustic (音) 4.5
22-382
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