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先生と迷い猫のotomisanのレビュー・感想・評価

先生と迷い猫(2015年製作の映画)
4.2
 肩書に絡めとられた?元校長先生の世間との折り合い付けの日々。現役時代はチョットした名物先生だったかもしれないのにね。こんな姿を見ると確かに学校は世間から閉じこもりぎみな感じの団体だと思う。
 折り合いと言えば、連れ合いを無くして独り住まいになるのもまた、相方無しへの折り合い付けという事なのか。折り合い付けの目標達成にネコが邪魔をする?校長はやっぱり真面目だ。
 そんな先生が姿を見せないネコの消息を訪ねる。あんな馴れ馴れしいネコが実は方々で二つ名、三つ名、四つ名のいい顔だった事にまた激怒。お調子者に腹は立っても昔の飼い猫の思い出が心をくすぐるんだろう。風来坊ネコの行方探しが自然とご近所の関りを深めていく。
 でも、きっとあのネコもうこの世にいないのだろう。夢枕に思い出す奥さんとネコ、二人一緒に引導を渡しに来てくれたのか。そうと想いを断ち切って気懸りが減るのかどうか。そうだとしても、ご近所はずっとご近所だし、修道院の偏屈小学坊主とも知り合ったし、先生まだまだやる事はありそうだ。
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