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大いなる勝利のために メキシコ革命1926/グレート・グローリー 大いなる勝利のためにのHKのレビュー・感想・評価

3.5
パケ写で汗臭い野郎どもの痛快西部劇アクションかと思ったら、ちょっと違いました。
なんと史実を描いた由緒正しいメキシコ製の145分の歴史大作。
舞台はメキシコ革命後の1926年、カイエス政権のキリスト教弾圧により起きたメキシコのタブーとも言われる内戦“クリステロ戦争”を描いています。

日本では劇場未公開。長い邦題はなぜか英語と日本語で2回も同じことを言っています。
ちなみに英語版では、“For Greater Glory:The True Story of Cristiada”、後半は“クリステロの真実の物語”。
これがイタリア語やスペイン語版のタイトルだと “Cristeros”(クリステロ)、または“Cristiada”(クリスティアーダ)とすっきりシンプルです。


しかしこのキリスト教弾圧、1900年代なのに日本の江戸時代の踏み絵の頃と同じレベルなのにちょっとビックリ。
多くの信者が政府軍によって拷問され銃殺され、そこかしこの電柱には信者の遺体が吊るされているという惨状です。
軍隊としての結束に欠け劣勢だった信者たちですが、元政府軍の名将エンリケ・ゴロスティエータがリーダーとなったことでクリステロ(反政府軍)として団結、反撃を開始しますが・・・

英雄ゴロスティエータ将軍をアンディ・ガルシア(当時56歳)が熱演。
久々にA・ガルシアの雄姿を見ました。
他には殉教する英国人の司祭にこれが遺作(?)のピーター・オトゥール(当時80歳)。
反政府軍の凄腕のガンマンにまだ『スター・ウォーズ』前のオスカー・アイザック(当時33歳)など。

なかなか骨太の歴史スペクタクルを楽しみながらメキシコの歴史の勉強にもなりました。
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