囚人13号

十字路の夜の囚人13号のレビュー・感想・評価

十字路の夜(1932年製作の映画)
4.8
主演ピエール・ルノワール、編集マルグリット・ルノワール、助監督ベッケルという常連メンバー。周囲に家は三軒しかない十字路の不可視、濃霧と大雨によって自動車のヘッドライトが濡れた地面に反射するショットは官能的というか殆どファンタジー。他にもコップ上の表面張力で一杯になった飲料水といい、やはり水に対する意識が際立っている。
確か一巻分くらい消失してるので所々音もないし話の進行が爆速であるが、こんな神話があったら75分の犯罪映画は退屈さを言い訳できなくなってしまうね。人間の行動描写に従順するカメラは言わずもがな、40年代アメリカもヒッチコックにも先駆けてルノワールがハードボイルドを作ってるじゃないか。
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