Robert

TAKING CHANCE/戦場のおくりびとのRobertのレビュー・感想・評価

4.7
ケヴィン・ベーコン主演に惹かれて鑑賞。

Complianceのアン・ダウド、Person of interestの”ゾーイ”役の女優さんが出演しています。この女優さんのデータがないようです。吉田羊的です。監督の初作品。2作目のThe Choiceはレンタルで、ラブロマンスのジャンルででおすすめの作品に挙げられていたことを思い出しました。今後の作品に期待します。ケヴィン・ベーコンはFootlooseをはじめ多彩な役柄をこなせるいい俳優さんです。

USMarine、海兵隊所属の将校クラスの主人公が、2004年のイラク戦争で戦死した兵士の遺体を故郷に送り届ける任務を申し出て、埋葬式まで遂行する実話を映画化した作品。飛行機を乗り継いで、棺を届けるワイオミング州の町までの任務をこなす旅程が描かれています。その道中では、殉職した兵士を知らない他人ですら、運ばれる棺に敬意を表していく姿に主人公の心に変化が起きていきます。輸送スケジュールの都合で、一夜保管庫に置かれてしまう棺と共に過ごすシーンが記憶に残りました。やがて、本来ならば自分が・・・と自戒の思いを大きくしていきます。

建国約400年以上しかないアメリカの社会システムの中で、民主主義、自由、キリスト教的正義の国家を維持するために命をささげるミリタリー組織に威厳を感じることが観られる作品です。Veterans Dayのセレモニーなど戦争が正当化される国の映画なので、敗戦国、9条固守の日本ではわかりづらい作品かとも。ただ、愛国心、忠誠、利他的な犠牲といった人間の良心の美しさを知るにはとても心に響くものがありました。戦争犠牲者に焦点を当てた映画はいろいろありますが、新しい切り口の映画だと思います。そう思うと邦題の不適切が残念です。
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