Sari

軽蔑のSariのレビュー・感想・評価

軽蔑(1963年製作の映画)
5.0
2017/11/16 名古屋シネマテークにて再見
【デジタル・リマスター版】

初見から20年以上経つが全く色褪せない、ゴダール中期傑作。
とにかく映像美と音楽が素晴らしい。

主演のブリジット・バルドーは丁度脂が乗っている時期で、完璧な美貌はいつ見ても溜息が出る。
裸が一番似合うと言われたバルドーがうつ伏せで寝そべるシーンは有名だ。
彼女の計算された無造作なブロンドヘアとシンプルで洗練された着こなし、立ち振る舞いや仕草を最も美しく演出しているゴダールのセンスに脱帽する。

今回デジタルリマスター化され、ゴダールの特徴である色彩鮮やかな赤や黄、青がより美しく鮮明に見えた。

全編で流れるジョルジュ・ドルリューのシリアスで壮大なテーマ曲がとても胸に迫り物哀しい。
サントラ(勝手にしやがれ、アルファヴィル、軽蔑)を所持しているが、中でも軽蔑が一番好きだ。
ゴダールは一般的には難解と言われるが、この作品は政治的要素が無いため比較的まだ観やすい。

ストーリーとしては、夫婦間でのすれ違いが大きな溝になる部分が、今振り返れば若い頃の自分には理解は出来なかったものの、ロケ地カプリ島の美しいロケーション、実生活さながらの奔放なバルドー、ゴダールの哲学的な台詞、色彩感覚、そして唐突に終わる刹那的な最後に魅了された。
アンナ・カリーナ主演のゴダール映画も大好きだが、今作はそれを踏まえても特別な映画。また、バルドー主演作ではNo.2

2023/10/22 U-NEXT
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