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いらっしゃいませの3104のレビュー・感想・評価

いらっしゃいませ(1955年製作の映画)
3.3
四十を過ぎて画家からデパートの臨時販売員になった森繁演じる主人公。
イマイチ冴えないがコツコツ真面目に働く彼の前に現れる、タイプも境遇も異なる3人の女性。
中北千枝子演じる下宿先の未亡人。
香川京子演じる職場の同僚。
瑳峨三智子演じるデパート専務の愛人。
徐々に彼女達と親密になっていく森繁。果たして彼が選ぶのは誰か。

中北の甲斐甲斐しさ、瑳峨のなまめかしさ、そして香川のあっけらかんでチャッカリとした現代っ娘っぽさ。3人それぞれの魅力の間で悩み翻弄される(?)、優柔不断な森繁のダメっぷりが素晴らしい。
劇中のそこかしこで挟まれる、彼のボソッと呟きも物語の清涼剤的役割を果たす。ここはさすが喜劇役者といったところ。良質な喜劇の背中に張り付いている「ペーソス」も、作中で時折顔を覗かせる。

「八頭身美人」こと伊東絹子に似た人物、という役柄で本物の伊東絹子がカメオ出演。
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