shibamike

バビロンのshibamikeのレビュー・感想・評価

バビロン(1980年製作の映画)
4.0
「黒ンボは国へ帰れ‼︎」


とイギリスの白人は怒鳴るけれど。

劇中で流れる音楽がとにかくカッコいい。
凄い音楽というのは、凄い過酷な状況の人の慰めになってきたから、凄い、のかしらんと思わされる。

見終わった後、重い気持ちになる作品。
他のレゲエチームと音楽でバトルする熱い話かと思ったら、さうではなく黒人によるイギリス生活のリアルを描いた話だった。
黒人差別ってアメリカだけじゃないんですね。

映画見ていて、自分に学びというか気付きがあったのが、ロニーという白人青年が黒人仲間から暴力を受け、ケガさせられた後、主人公の黒人青年と二人きりになるシーン。この気まずいシチュエーションで一体何を言うのだらう?と固唾を呑んで見守っている中、ロニーが言ったのは、
「‥‥後でな」(クラブで会おう)
という関係継続の言葉だった。
この一言に自分はグサリとやられた。
ロニー、仲間から脱退してもおかしくなかったのに良いヤツである(でも結局クラブには来なかった気がする‥‥)。
何かよくわかんないけど、人間関係ってとりあえず続けとけば良いんじゃね?という気がした(友人なら尚更)。
どんなに決まり悪くて居心地悪くても意外と周囲って許してくれたり忘れたりで、また楽しく過ごせるもんなのではないだらうか、と勝手に思う。
で、そういう仲間の気持ちって人種とかさういうの超越しているやうに思う。友達なんだものね。

もっと若いときにこの映画を見ていたら、極端な自分は極端に考えて「かういう過酷な状況を経験しないと凄いモノは産み出せない‥‥自分には無理だ、死のう」と極端に自分の命を終わらせていたかも知れないけど、オッサンになって多少極端じゃなくなったので、表現っていうのは本当に色々なんだなぁくらいでお茶を濁した。

自分は最近「古い夢」ということについてよく考える。成長期の若い人が制服の丈が合わなくなってしまうやうに、どんな年齢の人も夢の丈が合わなくなることがあるんじゃないだらうか。丈が長すぎたり短すぎたり。良いことなのか悪いことなのかはそれぞれでせうけど、でもその時の自分に合った夢や目標というのがしっくりくる気がするのである。そのためには古い夢を捨てなくちゃいけない。とっても怖いというかめちゃくちゃ悲しい気がする。でもやらなきゃいけない気がしてならない。
この映画に登場する若者達もそれぞれ夢がある訳で、ビッグになるとか黒人の権利とか色々でせう。具体的な夢の中身は違えど、夢や目標のために地べた這いずり回って努力するのは極東の我々もおんなじである。


レゲ三毛 バビロンの一句
「バビル2世 バビロンと何か 関係ある?」
(季語:バビル2世→3つのしもべに命令だ‼︎ヤッ‼︎→怪鳥ロプロス空を飛べ→ポセイドンは海を行け→ロデム変身地を駆けろ→意味不明→最近の寒暖差→秋)
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