2024/2/19配信終了なので急いで視聴。
1969年、砲弾が降り注ぐ最前線の金門に駐屯するエリート部隊「海龍蛙兵」に配属された主人公は"カナヅチ"であることが判明し、「特約茶室」を管理する831部隊で働くことに。
台湾と中国の国共内戦の歴史が分かるとより楽しめる作品。センシティブな話だけど個人の感想を記録したい。
作中では双方の攻防が続く中、最前線の金門で戦う国民党側の軍人と特約茶室の慰安婦を描く。今やあまり意識しないが、「外省人」「本省人」の対比について否応なく突きつけられる。
中国大陸から台湾に引き上げ、いつか中国大陸の故郷に戻ることを夢見たり、残してきた許嫁や親に思いを馳せて涙する外省人たち。
国民党が台湾に撤退したことで、戦時中体制に巻き込まれ、戦いを共にする本省人たち。
軍人側も「特約茶室」831部隊で働く慰安婦側も、それぞれ外省人と本省人のバックグラウンドがあり、各自の苦悩と哀楽を抱える。新たな愛を見出した者をいるし、ちょっとした選択の違いで人生が大きく変わってしまうやるせなさも。
登場人物が異なる訛りの北京語を喋ったり、台湾語や他方言が入り混じるような環境だが、阿嬌の「あんたら外省人(台湾語)はどうせ中国大陸の故郷には戻れないんだよ」と放った一言に、当時の外省人と本省人の辛酸が込められていると想像した。
当時から今に続く台湾のアイデンティティ問題、過去の歴史と現状について考えさせられる一作。いつの時代でも、戦争においては一般人が一番の被害者だと改めて感じた。