れれれざうるす

愛を複製する女のれれれざうるすのネタバレレビュー・内容・結末

愛を複製する女(2010年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

胸がざわざわする…。

レベッカは9歳でトミーに初恋。しかし突然の別れで再開は12年後。だがトミーは事故死してしまい自らトミーのクローン人間を生み母になる…。
というSFラブストーリー。

SFスリラーはほぼ嘘!SF感も皆無!だからこそ好きでした。(賛否の否が多い原因でもあるが)
どうやってクローンを作るのかなどの下りも全くなく、どのくらいクローン人間が作られてるのかもわからず、台詞や説明描写も最小限で淡々とトミーの成長が映し出される。

12年間会ってない初恋の男をすぐ好きになるのか?しかもトミーは自立した良い男じゃないのに?

という疑問が最後の最後に明かされるっていう…。あのシーンで処女喪失だなんて悲しすぎる…。9歳の時からずっーーとずっーーーーとトミーだけを愛し続けて、誰とも付き合わず、目移りもせず、ただただトミーだけを愛し続けてるのに、目の前にいるのは“息子”なんだもんね。当然彼女だって出来るわけだし。


・・・なのに親とヤるか!?!?!?!?

トミーは「母と話題がない」と言ってたけど母が息子を“男”として見てたように、息子も母を少なからず“女”として見てたと思う。彼女と母を普通は間違えないしあんな当てつけかのように目の前でイチャつくかな?普通は「触んなや出てけババァ!!!!」なはず(極端)
もしくは「これが目的なんだろ!?これで満足するんだろ!?」という逆に完全に“息子目線”なのかもしれない。
いややっぱ例え血縁者でなくても母とはヤれないだろ…!
でも何故か嫌悪感はなく、「ピアニスト」のシーンを彷彿とさせて胸がキュゥゥゥってなった。切ない。
長年育てた息子に「お前は誰だ?」と言われるのも悲しすぎる…。
事故死したトミーと自分が生んだトミー、同じような年齢に失ってしまうという結果になってしまったけど、レベッカはわかってたような気がする。トミーを生んでからのレベッカは全く笑顔がないのもクローントミーが言っていた「全く同じものは存在しない」が全てだと思う。姿形は同じでも記憶は残ってる訳ではなかったし。

エヴァグリーンの整った顔がこの役に比例(美人なのに世間知らず)していて何だか悲痛だな…。
ただ冒頭での妊婦シーンがトミーの子だとしたらそれは純愛ではなくエゴな気がする。むしろホラー!!

原題が『子宮』な訳だけどエンドロールの波音が羊水の音にも聞こえ、結局はクローン云々ではなく母と子の話なのだろう。
いろいろ解釈などあるかと思うが私は『純愛映画』だと思いましたね。

まぁ・・・1番気になるのはゴキブリをどうしたのかなんだけど・・・

マットスミスがそこそこアホそうだったけど子供っぽい完璧ではない男としては適役!