なまけもの

デーヴダースのなまけもののネタバレレビュー・内容・結末

デーヴダース(2002年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

土地の有力者の家に生まれた末息子デーヴダースが10年ぶりにロンドンから帰ってきた。子供の頃の初恋の相手パーラーとの再会で二人の間には愛が育まれる。しかしデーヴダースの両親は、身分の違いを理由に二人を引き離そうとする。駆け落ちする勇気も出せず、パーラーを手放したデーヴダースは破滅の道を進むのだった・・・というお話。

どんどん主人公が壊れていく様子を楽しむ(?)映画だった。

登場人物が大体厄介で、主人公はこれでもかというほど悪い選択だけを繰り返すし、ヒロイン二人はなんでこんな男が好きなの??という感じだし、義姉の性格は悪すぎて仰天もの。
まったく共感できないのに、美しいセットや衣装、構図、ヒロインたちのせいなのか、妙に説得力があるのが不思議。
視覚的なインパクトと登場人物たちの本気さに、心がなんだかぐつぐつと沸き立つようだった!
そんな中で、アイシュワリヤー・ラーイとマードゥリー・ディークシットの美貌が、やっぱりこの映画の肝だなと思う。二人の踊るシーンでは本当に胸がドキドキしてきて、口半開きで見てたと思う(笑)
シャー様のカリスマ性も、二人の美貌の前では少し霞んでしまっただろうか…だけどボロボロでちょっと狂ってるくらいのシャー様の魅力は、やはり侮れないものだ。

ただ少し消化不良な点が一点あって、それが「死にかた」。
個人的な印象だけど、インド映画は油断していると主人公が死ぬ。結構それが好きなところでもあるんだけど、「死にかた」って重要だと思う。この映画の「死に方」は正直消化不良でもあった。やはり死ぬなら苦しみの果てにある、ある種の「希望」みたいなものを描いてほしいんだよなあ(何を言っているのか)。
最後まで、どこまでも悲劇だった。それが良いところと受け取る人もいるんだろうなとは思うけれども。

雑に総括するとすれば、ツッコミどころは多々ありつつも、抗えない魅力のある映画だった。