venom9

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのvenom9のレビュー・感想・評価

4.0
スピンオフ作品では出色の仕上がり。
キャストは豪華ですが、誰かを特に際立たせることなく、名もなき人々の献身を描きます。
後日譚たる「スターウォーズ エピソード4/新たなる希望」との繋がりについても終盤で最低限描かれるのみで好感が持てますし、奏功していると思います。オリジナルトリロジーの主要キャストはキャラ立ちが半端ないので、本作キャストが霞みかねませんから。
ジン・アーソを演じるフェシリティ・ジョーンズは本来の美貌を抑えた役作りで、札付きのワルとして違和感ありませんでした。白人女性俳優としては小柄な方ですが、あまり気になりませんでしたね。キャストは概ね良かったのですが、マッツ・ミケルセンの存在感は際立っています。あと、チアルート役のドニー・イェンも良いですね。盲のフォース信奉者という設定はキリスト教において複数見られる盲目の殉教者を連想します。「スターウォーズ」シリーズは遥か昔の話なので「ジョン・ウィック コンセクエンス」のケインはチアルートの生まれ変わり、と妄想しています。
ラストで海岸線の向こうを見つめるジンとキャシアン、堪らないです。閃光と衝撃波は、我が国が被った人類史上稀な大量破壊/殺人のようです。
彼らが見つめる先は彼岸のようで神秘的ですらありましたが、現実は地獄絵図ですね。
(2017年1月 劇場にて鑑賞)
venom9

venom9