えいがのおと

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのえいがのおとのレビュー・感想・評価

4.4
サーガの精神を引き継いで、大義を考えさせる、ファン大歓喜の作品。

昨年の盛り上がりを考えると、驚くほど、話題に上がらない。
初日に、コスプレでどうこうという話も聞かなかったし、空席も目立っているとのことだった。
実際、内容的にもあまり惹かれないし、まぁこれまで観ているので、行っとくかというレベルの期待感で鑑賞。
遠い昔はるか銀河系で
というフレーズがぴったりな映画だったと思う。
最早、シリーズ、特に旧三部作などは過去のもの、歴史の一部みたいなものだ。
スカイウォーカー一族にまつわる銀河の記憶は、詳細でなくとも記憶に根強くある。
本作はエピソード4の前ということで、ああ、あのへんね、とまるで時代劇作品に対し何時代か、などと思う感覚に近い。
となると当然、信長は本能寺で死ぬのと同じように、メインのキャラクター達が何かを成し遂げたとしても、破れてしまうのだろうという予想はついている。
それでも、この作品は熱い。
古き良きと言ってしまえばそこまでだが、その設定、どういうこと?というエピソード4の解説としても機能しているし、何よりもシリーズ全体で問い続けてきた、善と悪の問題にも、反乱軍の物語に組み込まれていた。
エピソード7がエピソード4の焼き直しだと、よく言われたものだけど、本作はストーリー的な焼き直し感がなく、SWシリーズのスピリットを引き継いでいた。
私は、年齢的に新三部作公開時期に幼少期を過ごした世代なので、旧三部作を面白いとは感じるが、馴染みや興奮は新三部作に対しての方が強い。
本作は、そんな我々世代に、旧三部作の面白さを、魅力的に伝えてくれた作品に感じた。
エピソード4は、本作によってより一層名作と化すだろう。