鍋レモン

ソムニア 悪夢の少年の鍋レモンのレビュー・感想・評価

ソムニア 悪夢の少年(2016年製作の映画)
3.5
⚪概要とあらすじ
「ルーム」で世界的注目を集めた子役ジェイコブ・トレンブレイが、悪夢を現実化させる特殊能力を持つ少年役を演じたサスペンススリラー。

幼い息子ショーンを亡くした夫婦マークとジェシーは、新たな人生を歩むべく8歳の少年コーディを養子に迎え入れる。しかしコーディは夜になってもなかなか眠ろうとせず、蝶の図鑑を眺めてばかりいた。ある晩、リビングで過ごしていた夫婦の前に、突如として美しい蝶の群れが出現。さらに別の晩には、死んだはずの息子ショーンが姿を現わす。この不思議な現象がコーディの夢から発生していると知ったジェシーは、ショーンと会いたいがためにコーディを眠らせようとするが……。

⚪キャッチコピーとセリフ
“少年が 眠りについた時、恐ろしき悪魔が 目を覚ます。”

「キャンカーマン」

⚪感想
サスペンススリラー作品。

なんか良い所と悪い所が混在していてもったいない作品。高評価になりそうだけどツッコミどころがあってやや下がる感じ。

サスペンススリラーというよりファンタジーホラーにも感じる。
脅かし方が明らかにホラー。落ち着かせてからのドンッが多い。

夢が現実になるというより見ている夢が同時進行でそのまま現実世界で行われている感じ。

息子をなくした夫婦。
トーマス・ジェーン演じるマークが割と良き夫でかっこよかった。逆にケイト・ボスワース演じるジェシーは夫よりも亡くなった息子ショーンのことを引きずるあまりコーディをやや利用し利己的に動く。

ジェイコブ・トレンブレイ演じるコーディは自分が眠ると良くないことが起きると理解していて甘い飲み物やカフェイン錠剤を飲んだり、腕をつねったりと健気だった。普通だったらなんで寝るんってイライラするんだろうけどここは上手く作られている。
ジェイコブ・トレンブレイの表情の演技が本当に上手いのもある。

ファンタジー映画なら夢とリンクして幸せな世界なんだけどホラーが加わっているのでそうはいかず。でもなんだかんだでヒューマンドラマのような少しの温かさと切なさのある隠れた良作だった。



⚪以下ネタバレ



後半の展開がかなり良かった。
ジェシーが風呂場で溺れるショーンを助けないのは彼女の成長とショーンの事故への克服を感じる。

キャンカーマンという存在の正体がコーディが幼い頃の記憶というのが良かった。時が経つほどに朧気に。キャンカーはコーディの母親が患った膵臓癌、キャンサーがキャンカーに。また、夢のキャンカーマンのビジュアルは治療で変わり果てた母の姿から来ていたという。

個人的に微妙なのがコーディの夢で消えてしまった人達のこと。ラストで夢の延長線上で作れなくはないみたいなあれだったけど、夫のマーク帰ってこないのなんかまとまりない。

⚪以下あらすじ(Wikipediaから引用)
幼い息子ショーンをバスタブでの溺死事故で亡くしたマークとジェシーのホブソン夫妻。ジェシーは子供を亡くした親のグループセラピーに通っているが、不眠症と感情の麻痺した感覚に苦しみ、立ち直れずにいた。夫妻は心の溝を埋めるために、8歳の少年コーディ・モーガンの里親になることを決意する。コーディは3歳で母を亡くし、2度里親に引き取られたものの親が育児放棄したかのようにいなくなってしまうなど、いずれもうまくいかなかったという。利発だが警戒心が強く睡眠に問題があるというコーディだったが、夫妻は子を亡くした親と、親を亡くした子がお互いを必要としているのだと思い、彼を引き取った。

コーディを家に迎えるにあたり、壁に飾ってあったショーンの写真の中から親子3人で写った1枚だけを残し、他の写真は片づけた。コーディは蝶の図鑑と眠気を覚ますカフェイン剤などの刺激物を持参していた。聞くと、眠るとキャンカーマンという人を食べる怪物が来るので眠りたくないのだと言う。ジェシーがコーディを安心させ寝かしつけた後、夫婦で過ごしていると、居間に色とりどりの美しい光を帯びた蝶がたくさん飛び回り始める。突然のことに仰天する二人だが、しばらくすると蝶はふっと消えてしまう。その夜中、ジェシーの前にショーンらしき人影が現れ、すぐに消えた。ジェシーはコーディの里親になったことをショーンの霊が怒っているのだと思い、セラピーで相談するが、セラピストは睡眠不足で覚醒しながら潜在意識の中にある罪悪感によって白日夢を見ていたのではないかと言い、自分の心と向き合うようアドバイスされる。

学校から帰ってきたコーディは壁の写真を見て、ショーンのことを尋ねたので、夫妻は息子が天国にいることを話す。その夜、また美しい蝶が現れると、死んだはずのショーンが微笑みながら居間に佇んでいた。夫妻は感極まってショーンを抱きしめるが、コーディが目を覚ました瞬間、ショーンは消えてしまう。 夫妻はコーディが見ている夢が現実になって現れていることに気がつく。ジェシーはコーディにショーンの夢をもっと見させようとショーンを撮影したホームビデオを見せる。コーディが眠りにつくと、ビデオ通りの場面に蝶とともにショーンが現れ、親子は幸せなひと時を過ごす。その後、蝶が黒い蛾に変化してコーディの夢は悪夢に転じ、キャンカーマンがコーディの枕元で「いつも一緒にいる」と囁くと、コーディは恐怖に飛び起きるのだった。

コーディが学校でいじめっ子のテイトに絡まれた日、教室に一人残って居眠りしているとテイトが再び手を出そうと近づいてくる。すると突然、キャンカーマンが現れてテイトを襲い、テイトは行方不明になってしまった。

ジェシーはコーディの夢にショーンが出てくるように壁の写真を増やし、コーディの寝不足を心配するが、利用しているだけではとマークにとがめられる。それでもジェシーはショーンと会いたいために、悪夢を恐れて眠らないコーディを無理やり眠らせようと睡眠薬をこっそり飲ませてしまう。恐ろしい姿のショーンとともに現れたキャンカーマンに驚愕し、マークはコーディを起こそうとするが、薬で深い眠りに落ちたコーディは目覚めない。マークはキャンカーマンに襲われて消え、ジェシーは気を失ってしまう。しばらくして目覚めたコーディは倒れているジェシーを見て警察を呼ぶが、コーディが睡眠薬を飲まされていたことから虐待を疑われ、児童保護局に連れて行かれてしまう。

コーディを救いたいジェシーはコーディの身上書類を盗み見て、精神病院に入院している最初の里親ウィーランに会いに行く。引き取った当初は夢が現実になるコーディの特殊能力に驚き喜んだウィーランだったが、コーディが悪夢を見るようになってキャンカーマンに妻が襲われ消えてしまったのだ。絶望したウィーランはコーディを殺そうとしたが、手にかけることができなかったという。ジェシーはコーディの母親が病気で亡くなった病院を訪ね、母親について調べ始める。その頃、児童収容施設に保護されたコーディは人を傷つけることを恐れ、眠ることを拒んでいたが、心配した職員たちに睡眠薬を注射されてしまう。コーディの母親の日記を見つけ、コーディと彼の母親の間に何があったのかを知ったジェシーは、児童収容施設に急行する。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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