ゆみモン

若者はゆく -続若者たち-のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

若者はゆく -続若者たち-(1969年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

「若者たち」のトリオ、山内久、森川時久、宮島義勇が脚本、監督、撮影を担当した続編。

佐藤家の五兄弟は、東京で働き、学び、生活する若者たちだ。長兄の太郎は設計技師で、親代りになって育てた弟妹も成長し、今では、マイホームを築くことが夢だ。
遠距離トラックの運転手次郎は、町子との結婚準備中。だが、町子はかつて争議で苦労を共にした塚本との縁が切れないでいた。
経済学専攻で理論家肌の大学生三郎は、金のためにあくせくする太郎に反発。そして、就職試験の失敗により、深い挫折感を味わう。
オリエは働なきがら兄弟の母代り。オリエは太郎の部下武から求婚されたが、脚が悪い被爆者の石坂が心を離れなかった。
進学浪人の末弟末吉は、自動車のセールスでチャッカリ稼いでいた。
そんな頃、オリエの職場の同僚ミツが解雇された。それは、ノイローゼ気味の東北出身のハルエをかばって職制と争ったためだった。そのミツをオリエは家に連れ帰った。
一方、太郎は、虎の子の金を積んで契約した土地会社がつぶれ、そのショックから胃痙攣を起してしまった。
佐藤家はそれをめぐって大喧嘩をする。そこへ帰って来た三郎は、荷造りを始めた。西表島に教師の口を見つけ、発つのだという。ミツもオリエも、末吉も皆反対した。次郎は「駄目な奴は勝手に行かせろ」と三郎を発憤させ、太郎は「お前はダメじゃない、俺たちの宝だ。もっと勉強して、何のために人間は生きているのか俺に教えろ」と励ました。

相変わらず熱い登場人物たち。特に太郎と次郎。佐藤家の兄弟はよく取っ組み合いの喧嘩をする。
今回も前作同様、時代の社会問題を提起してくれる。登場人物それぞれの立場や考え方の違いが、わかりやすく描かれている。
終わり方がなんとなくぼやっとした感じで残念だ。

ナレーターの仲代達矢、就職試験の学生に原田芳雄…とさらに豪華だった。