いま、とても気分が良い!
「都市の愛」シリーズの中でも、格別に清涼なこの鑑賞後感。この映画と、映画の中のボッサがひたすら気持ち良くて、叶うなら、次観るときは、夏の夕暮れに友人たちとワイン飲みながら屋外で観たい。
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ブラジルのパスポートは高く売れるって知ってた?なぜなら、ブラジルはブラックもホワイトもイエローもミルクチョコレートもみんないるから。ごちゃまぜだから、だってさ。劇中のごくさりげない台詞だったけど、この映画を表現してるような言葉だと思った。
パリやニューヨークは、土地が人に(すごく魅力的な)プレッシャーとか影響を与えてる気がする。先に括りがあって、その中に人間がいる感じ。「パリ、ジュテーム」を観たときは「パリの人」をたくさん観たような気持ちがした。
けど、リオは、この映画は、結果論として括りができてる感じ。たくさんの人間が映されてたけど、リオの人、やなくて、この人たちがいる場所がリオなのか、と思った。
他の「都市の愛」作品と比べて、ずっとアンサンブル感がありました。お、あの人さっきの話のあの人やん!この人誰だっけ見覚えある!楽しい楽しい。
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リオって、海のイメージだけだったけど、あんなに緑色が綺麗な街なのね。
「ブラジル」でイメージされるダークサイドにあまり触れなかったのは、敢えてなのかな。でも、正直、別に観たくなかったから、いいんだ。なんというか、それらは大事なことだけど、それこそ外側からの高慢な偏見じゃないすか。何をするでも無いのに、みんな貧乏でかわいそう、治安悪くてかわいそう、っつって。
僕が観たかったのは、外野の僕らが羨ましくなるような、「リオで暮らしたい!」って思わせるような、そんな魅せ方で、この映画はそれを完璧に満たしてくれた。
現に僕は、これからボッサを聴きながら出かけるよ。今日は少し暑いっすね。夏が嫌いなのに、早く夏になんないかなあって思っちゃったよ。