かえで

TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)のかえでのレビュー・感想・評価

4.0
たまに昼休みにランチにも行くくらい、職場からすぐ近くにある築地。でもその実態についてはほとんど何も知らず、豊洲市場問題が騒がれるなか、丁度良い機会だと思って観に行きました。テンポの良いカット割りや独特のカメラワークに良質なBGMと、ドキュメンタリー映画とはいえ全く飽きることなくとっても面白かった!

タイトル通り、まさに築地はワンダーランド。とてもアナログな世界なのに、凄まじい量の魚が日々止まることなく流通していて、人々は滞りなく仕事をしている。活気があって、笑顔で溢れてて、時に緊張感があり…とても刺激的な世界でした。食についてこれだけ真摯に考えてくれている人たちがいるのなら日本はまだ大丈夫だ、と思うと同時に、私たち消費者側もしっかりと食について考えなければならないな、とも思いました。「今日食べたものが数日後に自分の細胞の一部になるわけでしょう?適当になんて絶対にできないよ」という仲卸業者の方の言葉にハッとさせられた。食べ物のことをそんな風に考えたことなかったなあ。

お店を畳む店主の話は少しセンチメンタルになったし、インタビュアーの「僕は寂しいです」の一言にすごく切なくなった。

それぞれの立場の人々が、それぞれの仕事にベストを尽くす姿は「シン・ゴジラ」や「ハドソン川の奇跡」を思い出しました。沢山の人々が色々な想いを持って、これまで築き上げ、守ってきた築地市場。豊洲市場移転については、本当に慎重に取り組んでもらわなければいけないことだ、と改めて強く思いました。
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