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おろちのodyssのレビュー・感想・評価

おろち(2008年製作の映画)
2.5
【面白くなりそうなのに】

原作未読です。

面白くなりそうなんだけど、ならない。イキそうなのにイケないもどかしさ、っていうと比喩として何ですかね(笑)。

門前家をめぐる謎が解明されていく過程、およびその謎が登場人物とその関係に与える影響――この映画はそれに尽きるので、そこをうまく描いていかないといけないと思うんだけど、不発に終わっている印象が強い。

原因の一つは谷村美月の「おろち」という設定でしょう。これ、よく分からなかったんですよ。ネット上で或る方の説明を読んで、なるほどとは思ったんですが、シリーズ物としてならともかく、これ単体の映画としてどの程度出てくる必然性があるのか、疑問です。むしろ省いてしまって、新米女中だとか、新しい友人だとか、他の視点人物によって徐々に謎を解明していったほうがよかったのではないか。谷村美月二役で出てくる少女に「おろち」の意識が憑依するのも、よく分からない。

木村佳乃と中越典子の壮絶バトルもどうかなあ。むしろ必要なのは心理的なバトルじゃないんですかね。中越典子がこんなにおとなしく姉に仕えている理由がこれまたよく分からない。

というわけで、40点かなと思うけど、私は中越典子さんが好きで、かねがねもっといい役で映画に出て欲しいと考えていたので、彼女に免じて10点オマケ。
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