のぶぃ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破ののぶぃのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

初の4DXにて鑑賞。
アトラクションの様で面白かった。
途中からは4DXな事を忘れるほど没入出来た。
初鑑賞ではないので驚きに欠けたが、その分冷静に見れたからか再発見も幾つかあった。
主にQに繋がる部分や、旧と重なる部分や差異である。

実はそんなに旧と変わってないなと思ったのが本音で、世間の評判とは裏腹にラスト近くはこれが熱い展開と感じるのはかなり皮肉なものだと感じた。

初公開時ネットでシンジさんなどと言われ、カッコよくなった、男らしくなった等と言われていて、自分もそう思った事もあるが、旧タイトルの「男の戦い」と同じく、シンジは何も計算せずただヤケになっているだけだと感じた。(庵野秀明は村上龍との対談でヤケになっている人を見るのは好きだと発言している)

否定しているわけではない。
ぼくもヤケになっている人を見るのは好きだし自分もヤケになりがちな人間である。
ただその後酷いしっぺ返しが待っている事も30数年生きてきて経験として知っている。
世界がどうなったっていいなどという発言をみるにQの様な展開になるのは当然だし、作り手もわかっていて発言させているのだろう。
ゲンドウやゼーレが度々発言している通り、作り手の計算のうちというわけだ。
実際には計算外の反応の方が多いだろうが…。

セカイ系というか何というか、当たり前のことだが君とぼくが救われれば世界が救われるわけなどない。
というより綾波レイを無意識に母の代替として求めているならば母体回帰願望を旧作テレビシリーズより強化させている様に見える。
勘違いしている人が多い様だが厳密に言えば綾波レイは碇ユイ(新劇では綾波ユイの様だが)のクローンではなく、異父兄妹に近いと考えているが、シンジの発言を見るに母の代替としてみているのは明らかである。

綾波レイもシンジを意識している様だ。
だが異父兄妹だとすると(ニア)サードインパクト、世界の終わりは近親相姦を引き金にしているということか。
中上健次の岬を思い出したが、中上健次の秋雪三部作と同じくオイディプス王繋がりになる。
この点はかなり面白いが何を言っているかわからないという人の方が多そうだ。
近親相姦などとんでもない罪でありこの点もQに繋がる。

DATをマクガフィンとして使用しているのは変わらないが、よりわかりやすくなっているし説明もある。
やはりサービス精神は新劇の方があると思う。
個人的にはこの説明は蛇足だが。

今回はじめてマリを魅力的に感じた。
付き合うならああいう明るい子が楽だろう。
勿論綾波レイ派であることには変わりないが、これまで病んだ子とばかり付き合ってきて少々疲れた。
(なんで個人的な恋愛歴を書いてるんだおれは、あほか?)
のぶぃ

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