ジュライ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破のジュライのレビュー・感想・評価

3.8
再鑑賞。やっとアスカが出てきてハッピー。

シンジを取り巻くパイロットたちはみんな性格やら名前やらがTV版からマイナーチェンジしてるけど、カヲルだけは従来のカヲルのままですよね。
人間は多かれ少なかれ、自分を変えることよりも相手が変わってくれることを願うものだけれど、シンジにとっては唯一変わらずにいてほしい人がカヲルだったってことなのかなーと解釈しています。

メインストーリーは、エヴァにしてはお行儀いいような。
パイロットたちがみんな協調性がアップしてるぶん、ミンミン蝉の鳴き声で奏でる不協和音みたいな、押し付けがましいほどの生理的な不快感が薄れてるような気がします。
でもその足りない不快感を、第8の使徒が余りあるほど補ってくれたので満足。死の間際に繊毛みたいなのをゾワゾワ動かすのが、Gとかムカデの脚を想起させて気色悪すぎ。

あとは映画のスポンサーだからとはいえ、自販機がすべて一社のみ(UCC)なのが社会主義国のような光景だなとか、リツコの灰皿の吸い殻一本一本すべてに口紅が付着しているということは、一本吸うたびに口紅塗り直してるのかとか、どうでもいいことがいちいち気になります。

そして「今日の日はさようなら」と「翼をください」はやっぱり気恥ずかしい。
シュールさを狙うにしたって、もうちょい良さげな曲を探してもらえばいいのにと思うけど、庵野さんは自分で「コレ!」と思った曲しか使いたくないんでしょうね。
まあ彼の作品だから、「これがベストなんだ!」と本人に言われたら、「はい」としか言えないんだけど。
ジュライ

ジュライ