まさなつ

神に誓ってのまさなつのレビュー・感想・評価

神に誓って(2007年製作の映画)
4.1
イスラーム映画祭2にて上映。

おそらくパキスタン映画は初めて。
土着性の強い地味な映画を想像していましたが、全く違いました。
意外にも、宗教、民族、紛争、家族、恋愛、サスペンス、裁判、音楽、9.11、、いろんな要素が入った社会派エンタメです。
3時間近くの長さでしたが、飽きることなく最後まで楽しめました。

主役は、パキスタンに住む2人の兄弟と、そのいとこでロンドンに住む娘の3人とその家族。
3人の若者が、それぞれ過酷な運命に翻弄されます。
娘のパキスタン人の父親が、自分のことを棚に上げて、それはあかんやろなことをしでかしますが、それがある意味、国情を表しているのでしょうか?

悲痛な状況が続きますが、過激なシーンは控えめな描写です。
音楽にまつわる心に残るシーンもありました。
兄弟の兄が、アメリカへ音楽留学するのですが、ピアノで故郷の曲を弾いていると、待ってる人種も様々な学生たちが、ひとりずつ手持ちの楽器を合わせて演奏していくところは、純粋に音楽の力でひとつになっていくようで気持ち良かったです。

裁判のシーンでは、宗教に関する、まっとうな議論があり驚きました。戒律や形ではなく、内面が大事だと、、。

ちなみに、本国では大ヒットしたそうです。ただ、やはり保守的な人が多いので、批判や嫌がらせは結構あるとのことです。

中々上映の機会はないですが、観やすいし、一般上映してもいいのにと思います。今日も立ち見がでる盛況でした。
まさなつ

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