俊藤浩滋制作・小沢茂弘監督で、大阪を舞台に描く本格的な賭場の世界。
鶴田浩二扮する流しの賭博師の、まさに義理と人情に生きる様が様式美として刻印され、任侠道（映画）の手本を見るかの様だ。
弟分の待田京介を庇う件りの男らしさ。ライバル・小池朝雄との静かな友情の美しさ。極道、若山富三郎の悪党ぶりが迫力あって作品を底支えしている。
でもこの話、山城新五が全部悪いよね（笑）。藤山寛美がコメディリリーフとして利いている。飛田も昔はあんな郭街だったんだねぇとしみじみ。
立ち回りは時代劇の流れを組んでいるが、どろ臭い所が作品の基調に合っていて、なかなかいい。
見事なまでに女優が活きてこないのは、いかにも小沢茂弘監督作品という感じ。脚本は村尾昭と高田宏治が担当。
