ポルりん

インデペンデンス・デイ:リサージェンスのポルりんのレビュー・感想・評価

1.6
エメリッヒ監督は私の好きな監督であり、その監督の作品の中でも、「インデペンデンス・デイ」が一番好きだ。
その続編という事で楽しみにしていたのだが、残念な結果になってしまった…。

始めに良かった点を挙げるとCGの出来は凄く良かったと思う。
街を吸い上げてから落とすシーンは迫力があり驚いた。
(ただし、ただ建物が吸い上げられているだけでそこに人がいない感じがした)

また、ジェフ・ゴールドブラムと父親との絡みは笑かせてくれた。

設定も前作の宇宙人の技術を軍事利用してるのは良いと思ったのだが…。

ここからは、短所を挙げるが少々ネタバレが入る。

まず、新キャラクターの魅力が無さすぎる。
これは、キャラクターが多すぎる為にバックボーンが描ききれなかったからだと思うのだが…。
不要なキャラクターが多すぎると思うので、もう少し減らしバックボーンをしっかり描いて欲しかった…。

次に戦闘シーンだが、敵と味方が多過ぎてどっちが敵なのか味方なのかが分かりにくい。
一応はビームの色で判断出来ない事はないのだが、それでも分かりにくい…。

次に敵の円盤についてだが、あまりにもキャラクターがデカいデカい言い過ぎてちょっとくどく感じた。
前作はまだCG技術が発展してないため、デカさが際立っていたのだが、CGに慣れすぎてしまった為か、前作程の衝撃はなかった…。
寧ろ、何か色々と意図が見えすぎて引いてしまった…。

そして、これが一番の短所だと思うのだが、脚本が酷すぎる…。
本当に退屈だ。
全然物語に引き込まれなかった…。

いや、エメリッヒ監督の作品はバカ映画だらけだが、これは酷すぎる…。

前作はあり得ないデカさのUFOがそれに見合う破壊力、そして攻撃しようにもバリアが邪魔で一方的になぶり殺しにされる。最終手段の核兵器を用いてもバリアを突破出来ない。この絶望的な状況をどうやって打開するのか。そして、バリアを破る方法が判明しても、時間や人材不足、圧倒的な戦力差、科学技術の差を全世界が一つになり協力し、命を懸けて戦い、アナログ方式で勝つ。

この様な要素からカタルシスが生まれるのに、今作は宇宙人の技術をそのまま使い、力押しで勝つ内容になっている。

宇宙人の技術の差がかなり埋まっているし、バリアも力押し出来るので絶望感もない…。
これではカタルシスも何も生まれない。

宇宙人の技術を使っているのならば、逆に宇宙人によってその技術を無力化させ、アナログで戦わらざろう得ない状況にしただけで、かなり変わっただろうに…。

今作は前作の長所を全て消し、短所だけが残ったように感じた。
ポルりん

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