しゅうへい

ヒメアノ〜ルのしゅうへいのネタバレレビュー・内容・結末

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

退屈な日々に焦りを感じる岡田はカフェ店員のユカに恋する同僚の安藤の手助けをする事に。恋のキューピットととして安藤に連れられカフェへ。そこで高校時代の同級生の森田と再会する岡田だったが、彼がユカのストーカーをしている事実を知らされる。

原作に割と忠実で古谷実作品の雰囲気を十分に感じられた。森田の台詞や描写が少ない為か息を吐くように人を殺し、本能のままに犯すただの猟奇殺人鬼になってた。シリアルキラーになった経緯が「生まれつき人と違う事への自覚」から「高校時代に遭った壮絶ないじめ」に改変されてたけど特に問題なし。森田剛演じる森田ならこれで良かった。セックスの快楽と殺人の快楽のカットバックが良かった。ラブコメとサイコスリラーを行ったり来たり。経験豊富なユカとウブな岡田のやりとりが愛おしい。退屈で平凡な人生を送る人には観終わった後の寂しさを感じたはず。

今回2度目の鑑賞。大好きな漫画の実写映画がここまで完成度が高いと嬉しい。設定も違えば結末も違う今作、実写化には限界があると承知の上で原作を読み込んだ人でも満足したはず。配役も文句無し、詰め込み感もそこまで感じなかった。他に適切な言葉が見当たらないから敢えて使う「無敵の人」とその被害者の話。同情はできないけど悲しい話。岡田達の日常と森田の狂気が並行して描かれるサスペンス・ドラマ。
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