空母ポンタヌフ

ヒメアノ〜ルの空母ポンタヌフのレビュー・感想・評価

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
2.0
前半の恋愛青春劇が全てアバンタイトルで、物語が不穏な方向に向かっていく中盤でタイトルコールが入る展開は驚いた。前半は前半でコメディチックな恋愛劇としてそういうジャンルの作品として楽しめる(ムロツヨシと濱田岳のコンビの会話が面白い)。後半からは一気に森田くんの暴力劇が幕を開け、一気に闇金ウシジマくんの世界に突入する。しかしながら、この後編パートは、事前にみていた「空白」や「神は見返りを求める」と比べて、あまりにも露悪的すぎてリアリティの無さを感じてしまう。高校時代の過酷なイジメでタガが外れてしまったという背景は理解できるのだが、あまりにも露悪的すぎて生来の悪意のようにも感じられる。イジメの結果産まれてしまった悪人を描くことによってイジメの凶悪性を描くということはわかるのだが、「う〜ん」というポイントに。じゃあ、イジメられていたけど、いまは普通に過ごしている人はどうなるの?と思ってしまう。99分と比較的短尺なので楽しむことができたが、後編パートがもう少し長ければちょっと視聴がしんどいかもしれない。とはいえ、描いてるテーマ性や構成は評価するし、環境が怪物を産んでしまうとちうメッセージには共感できる。